ＴＢＳ「サンデーモーニング」で
歯に衣着せぬコメントがよく
話題となる
元プロ野球選手の張本勲さんは壮絶な
子供時代を送ってきたようです。
父親を早くに亡くす不幸があり、
右手は事故による大やけどで
不自由に。
そして、第二次世界大戦中には
広島で被爆。
最愛の姉も失っています。
以前はいまわしい記憶がよみがえる
のが嫌で、
被爆のことは人に語ることもなかった
とのことですが。
今は
「どれだけの人が苦しみ、
犠牲になったか。経験を語って
若者にもわかってもらわないと」
と考え方も変わっているよう。
張本勲さんの生い立ちや、
被爆の記憶、家族への思いなどに
ついて語られた記事を拾ってみます。
目次
張本勲の生い立ちは？
張本勲さんは1940年６月19日に
広島県で産まれました。
父・張尊禎(チャン・サンジュン)さん、
母・朴順分(パク・スンブン)さんは
日本統治下にあった時の朝鮮半島出身。
張本勲さんも張勲(チャン・フン)
という韓国名があります。
張尊禎さんの弟が先に日本で生活して
おり、
その誘いで家族は張本勲さんが産まれる
前の1939年ごろ広島に移ります。
しかし、
張尊禎さんは財産整理のため
朝鮮半島に戻っていた時に
急死してしまいます。
４人の子供とともに残された母の
朴順分さんは
広島にとどまることを決意。
ホルモン焼き屋を営むほか昼夜問わず
働いて子供たちを育てあげたそうです。
張本勲さんはプロ入りした際に
契約金で母に２階建ての家を
プレゼント。
貧しい子供時代に恩義を感じた人や、
助け合った仲間たちには、
選手として大成してからも食事に
誘ったりしているそうで。
中学生のころには姉に言い寄ってきた
ヤクザを半殺しにしたなどと、
ヤンチャ伝説も豊富ですが。
知り合いの家族に不幸があったり
すると、
一緒に涙を流す一面もあるなど、
張本勲さんを昔から知る人たちからは
「弱い者いじめはしない。
義理人情に厚い」
という証言も多く聞かれます。
在日韓国人のプロ野球選手では
その後、帰化する人もいますが、
張本勲さんは引退後も国籍は韓国の
ままで、日本国籍を取得する意思も
ないようで。
「韓国は生みの親、
日本は育ての親。
そして生粋の広島県人だと
思っています」
と関わった全ての地に感謝を
表しています。
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張本勲の兄弟は？
張本勲さんは兄１人、
姉２人の４人きょうだいの
末っ子です。
お兄さんの世列さんは
タクシー運転手となったようで、
張本勲さんが野球に打ち込むように
なってからは、仕送りを続けて
支えていたようです。
そして２人いる姉のうち、
上の姉の点子さんは被爆で
全身にやけどを負い
12歳で亡くなっています。
被爆については次の項目で
触れますが
点子さんは背が高く、色白の美人
だったそうで。
張本勲さんも友達から
「ええのう。
きれいなお姉さんがおって」
とよく言われたのを記憶している
とのこと。
張本勲さんの母・朴順分さんは
1985年に83歳で死去。
兄の世列さんも1996年に64歳で
亡くなっており、
家族で存命しているのは張本勲さんと
２番目の姉、愛子さんの２人です。
愛子さんは
「広島原爆被爆者かたりべ」
として活動。
2017年に国連で採択された
核兵器禁止条約の早期発効などを
求める
「ヒバクシャ国際署名」では
役所、会社などにも飛び込み
3130の署名を集めています。
これは弟の張本勲さんが
プロ野球で樹立した安打数の
3085を抜くことを目標で。
署名活動を終えた姉に
張本勲さんは
「大あっぱれ」
とねぎらったそうです。
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張本勲の被爆体験
1945年８月６日。
張本勲さんが５歳の時、自宅は
すさまじい原爆の爆風で倒壊
しました。
爆心地からは約１.５キロ。
家には母と愛子さんと張本勲さんの
３人がいました。
世列さんと点子さんは早朝から
勤労奉仕に出かけていたそうです。
「ピカーッと光り、ドーンと
いうものすごい音がして
気がつくと、おふくろが私と
３つ上の姉に覆いかぶさり、
背中はガラス片で血まみれ」
その後、
母に「逃げろ」と言われ、
愛子さんとともにブドウ畑へと
走りましが、
人のうめき声や異様な臭いは
何十年たっても忘れることは
ないそうで。
お兄さんの世列さんは腕にヤケドを
負っていましたが命は無事でした。
しかし、
姉の点子さんはひどいヤケドを
負った状態で見つかります。
「自慢の姉でしたが顔も
無残に焼かれ、
人間がこんな姿になるのかと…」
点子さんは「熱い、熱い」と
うわ言を繰り返すばかりで
手の施しようがなかった状態
だったようで。
かすれ声で「のどが渇いた」と
いうので、
張本勲さんは畑でブドウを取り、
口の中に入れると点子さんが
「ありがとう」と言ったのを
記憶しているそうで。
その翌日に息を引き取りました。
母は大声で泣いたそうですが、
点子さんの遺品は一切残さず、
被爆についてもその後は沈黙を貫き。
張本勲さんが一度、点子さんの
ことを聞いた時も
「そんなことは聞かないの」
と突っぱねられたそうで。
残った３人の子供を守る、という
母の強い意志を感じ、
家族同士で原爆の話をすることは
なくなったのだとか。
戦争を体験した人の中には、
過去を話したがらない人も多い
というのはよく耳にしますけど。
おぞましすぎる体験をした人たちに
とっては、封じ込めたい気持ちの方が
勝ってしまうのでしょうか。
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張本勲は右手が不自由？
プロ野球選手として名声を手に
している張本勲さんですが、
実は右手が不自由。
４歳のころサツマイモを
たき火で焼いていた時に、
バックしてきた三輪トラックに
はねられ、たき火で右手を
大やけど。
焼けただれた小指はほとんど
なくなってしまい、
中指と薬指は癒着。
親指と人差し指は内側に曲がった
状態となり、
数年後に手術しましたが、
元には戻りませんでした。
張本勲さんは左投げ左打ち
ですが、
これは野球を始めた時に、右手で
うまくボールが握れないため、
無理やり利き手を変えたのだとか。
そこから努力を重ねてプロ野球選手に
なるわけですが、
足も速く野球センスのかたまりの
ような張本勲さんが、なぜか守備は
不得手でした。
外野を守っていましたが、
ライバルの野村克也さんからも
「いないのと同然」
などと言われるレベルで。
これについて
現役時代の張本勲さんは
弱みを見せることを避けていた
ようですが。
2008年のインタビューでは、
守備が苦手だったのは、
不自由な右手にグラブを
はめていた影響があったこと
を明かしています。
「右手のグラブの扱いがうまくいかず
スポットになかなかボールが入って
くれない。私は外野手でしたが、
とくにゴロが苦手」
「初めて白状しますが、
ゴロを捕るときはグラブではなく、
体にあてて止めようとしていました」
グラブは特注品だったそうですが
それでもカバーは難しかったとのこと。
それでもその分を、
バットで取り返そうと打撃力アップに
心血を注いだそうで。
逆境もエネルぎーに変えられる
強さがあるからこそ、張本勲さんは
超一流の数字を残したのでしょうね。
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さいごに
張本勲さんが原爆体験に
向き合うようになったのは
あるきっかけがあったそうで。
「８月６日と９日を
暦から外してもらいたい」
と原爆の記憶を封じ込めたい思いを
新聞で吐露したところ。
長崎の小学生の女の子から
「それは逆だと思います。
広島と長崎を忘れないために、
なくしてはいけないのでは」
と手紙をもらい
「ハッとした」そうです。
「人間の所業とは思えない
核兵器の使用は、繰り返しちゃ
いかんのです。
純粋無垢な子どもの命を奪う核兵器は
世の中から無くすべきなんですよ」
張本勲さんには今後もスポーツへの
辛口コメントだけではなく、
世界平和へ向けた被爆者としての
訴えも積極的に発信してもらいたい
です。
張本勲の性格は？炎上や発言の数々は？野村克也との仲は？
に続く。
最後までお読みいただきありがとうございました。
