”卓球日本”と言われて久しいですが、
常に中国という大きな壁があるのは
ご承知のとおりです。
その壁を打ち破ろうとしているのが
女子のジュニア世代の選手たちです。
その中でも特殊ラケットを使って
2019年の全日本女子ジュニア選手権
で優勝して注目されている選手が
出澤杏佳選手です。
目次
出澤杏佳（卓球）のラケットとラバー
出澤杏佳選手は異質ラバーのラケッ
トを使った強烈なバックハンドの
持ち主です。
フォア(表)にはソフトラバー、
バックハンド(裏)には突起の長い粒高
のラバーを貼っています。
卓球の生命はラケット。
1950年初めまで続いたヨーロッパの
カットマン全盛を覆したのが日本です。
今までのラバーを裏返して使う
「裏ラバー」の開発です。
指を使わずに強力な回転を生み出
せる「ペンホルダー」（ペンを持つ
ような握りの打法）は1980年まで
世界の主流になり、
ドライブ主戦型だった日本の黄金時代
でした。
1990年になるとヨルゲン・パーソン
選手（スウェーデン）などヨーロッパ
の選手がバックハンドに弱点のある
ペンホルダーから「シェークハンド」
（握手するときのような握りの打法）
で躍進し、それを素早く取り入れたの
が中国です。
中国はシェークハンド打法をいっそう
強力にするためラバーの研究やそれを
貼る接着剤の研究まで行い、
1980年後半から卓球王国を築き上げた
のです。
【ペンホルダー】
【シェークハンド】
出澤杏佳選手は卓球の強豪校・大阪
の四天王寺中学に進みましたが、
学校に馴染めず茨城に帰り、高校は
地元の強豪校・大成女子高校に進学し、
インターハイで関東女王になるなどの
活躍を続けています。
その要因の一つがラケットにあるよう
です。
フォアに表ソフト，バックに粒高1枚
ラバーを貼ったラケットです。
4年前にボールがセルロイドからプラ
スチックにするルールが変更されたの
を利用したのですね。
フォア側に「表ソフト」、バック側に
「粒高」といわれるラバーを貼りまし
た。
回転を自由に操れない異質ラバーでは
勝てないという定説を破ったのが
福原愛選手と伊藤美誠選手でしたが、
出澤杏佳選手がそのあとを引き継ぎ
次々と上位選手を破り大物食いの
異名を取っています。
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出澤杏佳（卓球）の身長やwiki的プロフィールは？
出澤杏佳選手は2020年1月17日の
全日本卓球選手権5回戦で、
平野美宇選手を破り一躍時の人に。
長崎美柚さん(17歳)とともに期待
される存在になりました。
福原愛さん出現後、女子の卓球は瞬発
力とパワーを持った若いアスリート
集団になりました。
瞬発力とパワーは身長の高い選手の
ほうが有利だといわれますが
2016年のリオデジャネイロ五輪の
日本選手の平均身長は男子170.3㎝
女子154.6㎝でした。
ちなみに日本人の平均身長は男子
171.5㎝ 女子：158.5㎝なので
体力の強靭なアスリートの身長が
日本人の平均以下というのは意外
ですね。
出澤杏佳選手の身長は162㎝あり
女子選手の中では長身です。
（早田ひな選手の166㎝が最長身）
男子の場合は190㎝以上の選手も
多く、長身から繰り出す強烈な
ドライブやネット際まで手が届くなど
で優位に立っていましたが、
女子の場合は伊藤美誠選手のように
小柄で小回りの利くタイプの選手が
増えています。
出澤杏佳選手は異質ラバーのラケット
で回転の利いたドライブや強烈な
バックハンドを打ち、
ネット際にも強い将来が楽しみな大型
新人です。
【生年月日】2002年6月28日
【身長】162cm
【出身地】茨城県
【中学校】
四天王寺中学校⇒
日立市立泉丘中学校
【高校】大成女子高校
【戦型】
右シェーク異質攻撃型
【世界ランキング】
298位（2020年1月時点）
【主な戦績】
2018年 全日本選手権 15位
2018年 全日本選手権 ジュニア優勝
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出澤杏佳（卓球）の所属は？
中国やヨーロッパでは卓球選手の
プロ化が進んでいますが、
日本も2016年に卓球協会が将来の
プロ化を目指して2018年10月に
「Tプレミアリーグ」を構想。
そして同年10月14日、国技館に
5624人の観客を集めてスポンサーの
”ノジマ”を冠に「ノジマTリーグ」が
スタートしました。
出澤杏佳選手は高校生ながらその
Tリーグの一員で、愛知県のトップ
乙女ピンポンズ名古屋（トップ名古
屋）に所属しています。
まだスタートしたばかりのTリーグ
ですが、多くのフアンに支持され
白熱した試合が展開されています。
各チームに所属する選手はそれぞれ
の力でランク付けされています。
エース格のS→AAA→AA→Aの４段階
に分かれ観戦する客にも格付けを公表
しています。
その点では大相撲に似ていますね。
出澤杏佳選手は残念ながらAAです。
新鋭の長崎美柚選手や木原美悠選手
もまだAAです。
男子リーグは水谷・張本選手の強力
２Sを擁する木下アビエルが断トツに
強く、
女子では早田ひな選手の大車輪の活躍
で日本生命がトップを走っています。
ただ日本のエース・伊藤美誠選手が
Tリーグに入っていないのが気になり
ますが・・・。
出澤杏佳（卓球）の世界ランキング
選手の世界的な評価を表すのが
世界ランキングです。
出澤杏佳選手の世界ランキングは
2020年1月時点で298位となって
います。
世界ランキングを見るとやはり中国が
圧倒的な強さで上位を占めています。
特徴的なことは男子でドイツが2位に
つけていることです。
ドイツの選手はブンデスリーガで
鍛えらる一方ハン・イン選手など
帰化した中国人で戦力を補強している
ように思えます。
現在の卓球競技は団体・個人とも
東アジア勢がヨーロッパより優位に
立っているといえます。
出澤杏佳選手は2019年4月ジュニア
ナショナルチームに選ばれ、
5月14日のチャレンジ大会「クロア
チアオープン」の21歳以下の部に出場
し、準々決勝で敗れました。
その後全日本ジュニア女子で優勝する
と、トップ名古屋から勧誘を受けTリ
ーグ入りしました。
ただ世界ランキングでは遥か下位に
います。
それはポイントの高い国際試合の経験
と上位進出がないためでしょう。
大物食いの出澤杏佳選手ですから、
世界でも異質ラバーのラケットで
活躍すればランキングもグンと
上昇することでしょう！
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さいごに
女子卓球は1985年前後生まれの
日本の卓球界を引っ張った平野
早矢香さん・福原愛さんから、
2000年前後に生まれた、伊藤美誠
さん・平田美宇さん・早田ひなさん
など2020年の東京五輪を支える黄金
世代といわれる選手たちにバトンは
継がれ、
次はジュニア世代の木原美悠選手・
長崎美柚選手・出澤杏佳選手の出番
でしょう。
その中でも特異な存在が出澤杏佳選手。
きっと世界の舞台でも大物食いの
本領を発揮してくれるでしょう！！
最後までお読みいただきありがとうございました。
